FURのファーストアルバムの最後から2番目に収録されている曲。終盤に向かって感じられるアルバムのフィナーレ感と壮大さが良いです。「僕は全世界に対して信頼を失っている」や「僕の居場所を教えてくれ」などネガティブな歌詞が続きますが、「そんな自分を救ってくれるのは君だけ」で、その「君」のために「僕」は「いつでも太陽を持っていてあげるよ (I'll always be there holding up the sun)」という歌詞で締められます。
「Son of Sam」というのは、アメリカの1970年代のシリアルキラーのあだ名ですが、この曲はそのシリアルキラーとは無関係だそうです。Wikipediaに載っている彼の説明によると、この曲は「昨日見た夢の内容を語っているような曲」で「破壊と創造力についての印象派的な歌」だそうです。全体的に不穏な雰囲気をまとったメロディーがクセになります。
The Lemon Twigsらしい、ポップで懐かしい感じがするメロディーです。今回は、兄のブライアンがボーカルを務めています。サビはかなり高音になりますが、サラッと簡単そうに歌っているところがブライアンらしいなと思いました。間奏のキーボードの音色が力強くも可愛いらしくてクセになります。毎度のことながら、他のメンバーがバックコーラスを歌うところは、The Lemon Twigs らしい美しさと心地よさを出しています。
PVについて
兄のブライアンが移動式ベッドで寝ていて、それを弟のマイケルが道路の真ん中で押している、シュールな場面からスタートします。サビでは、ダダリオ兄弟だけではなく、ベースとドラムのメンバーも登場します。途中、リアルな風景写真をバックにブライアンとマイケルが安っぽいCGのように飛び回っている場面が何度かあります。笑 The Lemon TwigsのPVにしては珍しい笑いの要素があり、見ていて楽しかったです。